「名古屋市で受けられる支援や割引、相談先を一つにまとめました。
まずどこに相談し何を準備するかを迷わず確認できます。
名古屋市の総合相談窓口【まずはこちら】
最初に相談すべき窓口を把握すると手続きがスムーズになります。
この章では市役所の障害福祉担当課と相談支援事業所の役割を整理し主要な申請先の早見表を示します。
市役所での障害福祉担当課について
名古屋市では、障害福祉に関する総合的な相談や手続きは、各区役所の福祉課(支所の場合は区民福祉課)が窓口となります。
また、精神保健に関する相談は各区の保健センターでも受け付けており、うつ病などの心の不調や依存症等の相談ができます。
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市役所窓口でできる主なこと
- 障害者手帳の申請・更新:
- 各種福祉サービスの申請:
- 基幹相談支援センター等の紹介:
身体・精神・療育手帳の新規申請や更新手続きが行えます。
自立支援医療、移動支援、生活介護などのサービスを申請できます。
より専門的な支援が必要な場合に適切な機関へつないでもらえます。
出典:障害のある人のことは(暮らしの情報)|名古屋市
相談の窓口|ウェルネットなごや
名古屋市では各区に「基幹相談支援センター」が設置され、地域の中核的な相談窓口として機能しています。
あなたの生活計画を支援する「相談支援事業所」とは
相談支援事業所には「相談支援専門員」が在籍し、サービス等利用計画の作成や関係機関との連絡調整を行います。
名古屋市では市内各地に複数の事業所があり、障害のある方やご家族が安心して生活できるよう継続的な支援を行っています。
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相談支援事業所でできる主なこと
- サービス等利用計画の作成:
- 申請や連絡調整のサポート:
- モニタリング:
本人の希望や生活課題に応じて、利用できる支援を整理・計画します。
区役所や医療機関、就労支援事業所との橋渡しを行います。
利用後も定期的に生活状況を確認し、必要に応じて計画を見直します。
出典:相談支援事業所ガイドブック|名古屋市
相談の窓口|ウェルネットなごや
名古屋市は各区に「基幹相談支援センター」を配置し、地域全体を支える拠点としての役割を担っています。
【早見表】障害者手帳・医療・福祉・就労の主な申請窓口一覧
名古屋市でよく利用される手続きの申請先を一表にまとめました。
制度は変更されることがあるため公式情報で最新内容をご確認ください。
名古屋市の主な申請窓口(概要)
表が画面からはみ出す場合、左右にスクロールしてご覧いただけます。↔
手続き | 主な申請先(名古屋市) | 備考 |
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身体障害者手帳 | お住まいの区役所福祉課〈支所は区民福祉課〉 | 等級は1〜6級です。 |
精神障害者保健福祉手帳 | お住まいの区の福祉課〈支所区民福祉課〉 | 申請窓口は各区福祉課です。 |
療育手帳 | お住まいの区役所福祉課〈支所区民福祉課〉 | 判定機関の結果により区分が決まります。 |
自立支援医療〈精神通院〉 | お住まいの区役所福祉課〈支所区民福祉課〉 | 申請に診断書等が必要です。 |
就労の総合相談 | なごや障害者就業・生活支援センター(市内4拠点) | 平日9時〜17時が目安です。 |
総合的な生活相談 | 区役所福祉課/保健センター/基幹相談支援センター | 内容により適切な機関を案内します。 |
出典:障害福祉サービスの概要|名古屋市
障害者就労等の相談支援機関の案内|名古屋市
相談の窓口|ウェルネットなごや
本表は概要ですので、具体的な提出先や必要書類は各ページで最新情報をご確認ください。
窓口は制度のための場所というだけでなく、安心して相談できる「最初の一歩」の場所でもあります。
ちょっとした疑問や心配ごとも気軽に尋ねて大丈夫です。名古屋市の担当課や相談支援事業所は、皆さんの生活を一緒に支えるパートナーとして力になってくれます。
名古屋市で利用できる手当・助成・割引制度【お金に関する情報】
医療費や生活費の助成から税金の控除、交通機関や公共施設の割引制度まで、名古屋市で利用できる代表的なサポートをまとめました。
家計の負担を軽減する制度を理解しておくことで安心した暮らしにつながります。
医療費に関わる助成(障害者医療費助成・自立支援医療など)
名古屋市では「障害者医療(マル障)」制度により、対象者の外来・入院医療費の自己負担分(健康保険の自己負担額)が助成されます。
また、自立支援医療(精神通院医療)では、指定医療機関での自己負担が原則1割となります。
名古屋市では、自立支援医療(精神通院医療)の受給者証所持者数が5万人を超えており、多くの方が日常的にこの制度を利用しています。
愛知県全体でも10万人以上が制度を利用しており、必要な方にとって身近な支援制度となっています。
出典:名古屋市精神保健福祉センター所報/
愛知県 精神保健福祉センター 発行物
年度によって数字は変動する可能性がありますので、最新情報は公式資料でご確認ください。
生活費を助ける制度や税控除(特別障害者手当・所得税ほか)
特別障害者手当や障害児福祉手当は全国制度ですが、名古屋市では多くの利用者が恩恵を受けています。
令和7年4月現在、特別障害者手当は月額28,840円(国制度、年1回見直しあり)が支給されます。障害児福祉手当(月額15,690円)もあり、いずれも全国共通制度ですが、名古屋市でも多くの方が利用しています。
障害者控除や扶養控除をあわせて利用することで、家計の負担をより軽くできる制度です。
出典:特別障害者手当(国・県・市)|ウェルネットなごや
障害者控除|国税庁
支給額や条件は変更される可能性がありますので、申請前に公式情報を必ずご確認ください。
【公的機関の割引制度】交通機関・NHK・市営施設など
名古屋市では、交通、公共施設、文化施設など、障害者手帳をお持ちの方に対してさまざまな割引や入場優遇を実施しています。
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名古屋市ならではの公的割引例
- 市営バス・地下鉄の割引:
- 市営施設の無料入場:
- NHK受信料の免除:
名古屋市営バス・地下鉄・ガイドウェイバスでは「福祉特別乗車証」により本人と介助者が無料で利用できます。
あおなみ線も障害者手帳提示で半額運賃になります。
名古屋市科学館、美術館、博物館、名古屋城、東山動植物園など多くの市施設で本人と介助者の入館が無料になります。
身体・精神・療育の各手帳をお持ちの世帯で、所得要件などを満たす場合に、NHK受信料が全額免除または半額免除となります。
出典:名古屋市内施設一覧表(精神障害者家族会連合会)
割引内容や対象者は変更されることがありますので、事前に最新情報をご確認ください。
【民間企業による割引サービス】携帯電話・映画館など(※事前確認推奨)
名古屋市内では、携帯キャリアの割引や地域の映画館で手帳提示による優遇が受けられます。ただし、対象や条件は事業者によって異なります。
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名古屋市内の民間割引例
- 携帯電話料金の障害者割引:
- シネマスコーレ(名駅西口):
- 109シネマズ名古屋(ささしま):
主要キャリア(例:ドコモ「ハーティ割引」)をはじめ、割引プランがあり、名古屋市内でも多くの店舗で利用できます。
障害者手帳提示で本人1,100円、付き添いは前売料金。ミニシアターならではの落ち着いた空間が魅力です。
本人および同伴2名までそれぞれ1,000円(税込)。IMAXなど特別上映も追加料金で対応可。
出典:ハーティ割引(ドコモ)|NTTドコモ公式サイト
サービス情報|シネマスコーレ公式サイト
料金・割引サービス|109シネマズ名古屋公式サイト
割引の適用には手帳の原本やミライロIDなどが必要で、事前確認が望ましいです。
名古屋市の障害福祉サービスの種類と選び方【暮らしや就労の支援】
名古屋市では、就労・日中活動・住まい・外出支援・子どもの発達支援まで、生活場面ごとに選べるサービスが用意されています。
以下では種類の違いに加えて、名古屋市ならではのポイント(整備方針やアクセス面)をひとこと添えてご紹介します。
働くための支援サービス(就労移行・A型・B型事業所)
状況に合わせて段階的に選べる就労系サービスです。名古屋市は公共交通が発達しており、通所しやすい立地の事業所が多いことも利用のしやすさにつながります。
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名古屋市で利用できる就労系サービス(地域性のひとこと付き)
- 就労移行支援:
- 就労継続支援A型:
- 就労継続支援B型:
最長2年の訓練と就職支援。名古屋駅・栄周辺など中心部は事業所や求人情報へのアクセスが良好で、通勤訓練もしやすい環境です。※所在地は各事業所情報でご確認ください。
雇用契約を結び最低賃金以上の給与で働く形。通勤利便性の高い駅近の事業所が多く、地下鉄・市バスと併用しやすいのが名古屋市の強みです。
雇用契約は結ばず自分のペースで作業を行い工賃を得る形。市内郊外エリアでは小規模・少人数の事業所も見つかりやすく、落ち着いた環境を選びやすい傾向です。
出典:障害者就労等の相談支援機関の案内|名古屋市
名古屋市障害者基本計画・障害福祉計画|ウェルネットなごや(就労支援の整備方針等を確認できます)
日中活動や住まいを支えるサービス(生活介護・グループホーム)
名古屋市は高齢化や地域移行の推進に合わせ、生活介護とグループホームの整備を重点化しています。将来の入居枠・定員拡充が計画されている点は利用者にとっての安心材料です。
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日中活動・住まい系サービス(名古屋市の着眼点)
- 生活介護:
- グループホーム:
常時介護を必要とする方の介護・機能訓練・創作活動の場。市は需要増を見込み、計画的な定員確保を掲げています(年度計画に基づき整備)。
少人数での地域生活を支える住まい。名古屋市は令和8年度に向けて整備を重点化しており、将来的に選択肢が広がる見込みです。親亡き後を見据えた相談も早めがおすすめです。
出典:名古屋市障害者基本計画・障害福祉計画|ウェルネットなごや(生活介護・共同生活援助の整備方針・見込みを記載)
外出をサポートする制度(移動支援・ガイドヘルプ)
地下鉄・市バス網が発達した名古屋市では、移動支援やガイドヘルプと公共交通を組み合わせることで通院・買い物・余暇の外出がしやすくなります。ミライロIDなど手帳のデジタル提示を受け入れる施設も広がっています。
ミライロIDは、スマートフォンで障害者手帳の情報を表示できるデジタル障害者手帳アプリで、持ち歩く煩わしさを減らし、公共施設や交通機関での優待利用に活用されています。
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外出支援サービス(名古屋市での使いどころ)
- 移動支援:
- ガイドヘルプ:
社会参加や余暇外出を支援。バリアフリー化が進む市営地下鉄駅と相性が良く、ドアtoドアでの不安を軽減できます。
視覚・知的など一人での外出に不安がある方を付き添い支援。主要ターミナル(名古屋・金山・栄)での乗換え時の安心感が高まります。
出典:名古屋市の移動支援事業|ウェルネットなごや(移動支援の位置づけ等を確認できます)
お子さん向けの福祉サービス(放課後等デイサービス)
名古屋市内には放課後等デイサービスの事業所が数多く、児童発達支援と併設の施設も見つけやすい環境です。学区や通学経路と合わせて通所動線を作りやすいのも都市部の利点です。
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子ども向けサービス(名古屋市で選ぶ視点)
- 放課後等デイサービス:
生活動作の練習・学習支援・遊びの場を提供。送迎エリアや学校までの距離、家族の就労との両立を基準に選ぶと続けやすくなります。※事業所によっては送迎サービスもあります。
名古屋市は「地域移行の推進」や「グループホーム整備」に重点を置いています。どんな暮らし方を望むかを軸に、相談支援事業所で希望を伝えながら、アクセス(駅近・送迎)や通いやすさを基準に比較してみてください。
まとめ:名古屋市の障害福祉サービスを上手に活用するために
ここまで名古屋市における障害福祉サービスの制度や支援内容を整理してきました。
最後に、名古屋市が取り組む独自の整備方針や、実際に利用するうえでの大切なポイントを振り返りましょう。
本記事で紹介した内容の振り返り
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名古屋市の障害福祉サービス活用ポイント
- 総合相談窓口:
- 手当・助成・割引制度:
- 福祉サービスの種類:
区役所や基幹相談支援センターが制度利用の入口になります。名古屋市は区ごとに相談体制を整備しているため、地域密着で相談できます。
医療費助成や税控除、公共交通や市営施設の割引制度があります。
名古屋市独自に文化施設(科学館・東山動植物園など)で本人や介助者の無料入館を提供している施設もありますが、利用には障害者手帳の提示など一定の条件があります。
就労支援、生活介護、グループホーム、移動支援、放課後等デイサービスなど幅広い制度があり、市は特にグループホーム整備に力を入れており、令和8年度に向けて拡充を進めていますが、計画の変更もあり得ます。
名古屋市の障害福祉に関するQ&A
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よくある質問
- Q:まずはどこに相談すればいいですか?
- Q:割引や助成は誰でも使えますか?
- Q:施設の利用枠が足りないときはどうなりますか?
A:お住まいの区役所福祉課や基幹相談支援センターにご相談ください。名古屋市は区単位で相談支援の充実を進めています。
A:障害者手帳の等級や所得による制限があります。
名古屋市の市営施設では、多くの場合、本人や介助者の無料または割引入場が可能ですが、施設ごとに異なる場合もあるため利用前に確認してください。
A:名古屋市は令和8年度にかけて生活介護やグループホームの整備拡充を進めており、将来的に選択肢が広がる見込みです。
名古屋市は「地域移行の推進」や「グループホーム整備」に力を入れ、障害のある方が地域で安心して暮らせる環境づくりを進めています。市営バスや地下鉄など交通網の発達とあわせて、通いやすい立地でのサービス選びも可能です。
制度は複雑に見えても、まずは区役所や相談支援事業所に希望を伝えてみましょう。焦らず、自分やご家族に合ったサービスを少しずつ選ぶことが、安心と自立した暮らしへの第一歩となります。